やや日刊ラツィオ

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【コラム】何度も挫折しながら掴み取った栄光。ラツィオの新10番、ルイス・アルベルトの足跡

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今季からルイス・アルベルトがラツィオの背番号10を背負うことが決まった。

ラツィオの10番といえば、マンチーニ、クレスポ、ラウドルップ、スタンコヴィッチといった名だたるレジェンドが着けた栄誉ある番号だ。そして、アルベルトもまたそれにふさわしい活躍を見せた。

独特なリズムのドリブル、広い視野、正確なキックを武器に、17/18シーズンは47試合に出場。12ゴールに21アシストと驚異的な結果を残し、ファンには"El Mago"(魔術師)の愛称で親しまれるようになる。また、自信の目標のひとつだったスペイン代表への初招集も叶えることができた。

今まさに波に乗っているアルベルトだが、彼のサッカー人生はここまで苦難の連続だった。

バルサBで活躍も、トップチームとの契約は勝ち取れず

ルイス・アルベルトは、故郷のクラブ、セビージャでキャリアをスタートさせる。加入2年目にBチームで15得点を記録し、3年目にはトップチームのデビューを果たした。

そうした活躍がビッグクラブの目に留まり、買い取りオプション付きの期限付移籍でバルセロナBへ加入。若きアルベルトは、世界トップのクラブでのデビューを目指して奮闘し、チームで2番目に多くのゴールを決める。

ところが、彼の努力は報われなかった。バルサが選んだのはアルベルトではなく、ただひとり彼より多くのゴールを決めたデウロフェウだった。

イングランドでも苦難は続く

バルセロナのトップチーム入りを果たせなかったアルベルトだったが、国外のビッグクラブからオファーを受ける。イングランドの巨人、リヴァプールからの誘いだった。

カタルーニャで破れた夢を掴むため、彼はこのオファーを承諾する。しかし、ここでもうまくはいかない。

フィジカルコンタクトが多く、プレーの展開が速いイングランドのスタイルに適応できず。いつしか落伍者の烙印を押され、他のクラブをレンタルで点々とすることになる。

彼の夢はまたしても砕かれてしまった。

信じ続けてくれたラツィオの首脳陣

夢を追いかけたどり着いたイングランドを離れる決意をしたのは、16/17シーズンの夏の移籍期間最終日。

アルベルトは、ラツィオへの移籍を決める。悩んだ末での決断だった。

ところが、サッカーの世界はどこまでも彼に残酷だった。最も遅くクラブに加入した彼は、なかなかチームに馴染めず、初年度はわずか10試合の出場にとどまった。

イタリアを諦め、環境を変える選択肢もあった。しかし、アルベルトは逃げ出さなかった。ラツィオで努力し、成功すると誓う。

この選択について、後に彼の代理人はこう語っている。

「ルイスがラツィオから出ていくことを検討したことがあるかって?なかなかチャンスが巡ってこないときは誰だって移籍を考えるだろうが、彼は違った」

「リヴァプールにいた時とは考え方を変えることができたんだ。それは、インザーギ監督やターレSDが、『彼には大きな才能が眠っていて、チームにとって重要なんだ』とメディアに語り続けたからだ」

挫折と絶望の末に掴んだ背番号10

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監督をはじめとするスタッフの信頼を受け、ついにアルベルトは努力を実らせる。当時背番号10を着けていたフェリペ・アンデルソンが負傷で離脱する中、その穴埋め以上の結果を残してみせたのだった。

やがてはアンデルソンからポジションを勝ち取り、エースのインモービレと共にセリエA屈指のフォワードになるまでに成長をとげた。

これまで何度も壁にぶつかった。もしそこで諦めていれば、この成功もなかったはずだ。

もちろん、彼はまだ夢への道の途中にいる。スペイン代表への定着、チャンピオンズリーグでの活躍、そしてスクデット。本当の試練はまだまだこれからだ。

ビアンコ・チェレステの10番を背に、ルイス・アルベルトはどこまで羽ばたくことができるだろうか。